中国仕入れを現地で行いたい
国内仕入れと違って、中国現地で仕入れを行うと異文化を見ることが出来ますし、何と言っても仕入れをやっている実感があります。
ここでは、私が中国で仕入れていた地域をご紹介します。
なぜ中国か
仕入れ先は中国じゃなくても、東南アジア・ヨーロッパ・アメリカなどたくさん候補はあります。
しかし、日本の産業が中国に移ったように、今中国には様々な商品を作る技術と工場があります。
ヨーロッパで販売されているおしゃれな商品も中国産だったりするので、安く仕入れるためにも生産工場がある中国で仕入れるのがもっとも効率的です。
中国の仕入れ地域
中国の地域によって、得意な商品ジャンルが異なります。また地域性もあり、商品の質が異なります。
義烏(イーウー)福田市場
生活雑貨・アクセサリー・小物電化製品などの小物を多く製造する地域。
安い商材が得意で、アクセサリーで例えるならジュエリー品質ではなくアクセサリー品質の商品が多い。
福田市場(ふくだしじょう)は、巨大な卸売り施設で、1日あっても回りきるのは難しいほどの大きさです。
マーケットの周辺には、卸売り企業や工場がたくさんあります。
広州卸売市場
広州卸売市場は、衣類を中心とした卸売の地域です。巨大な義烏マーケットに比べると市場の規模は小さいです。しかしながら、ビル丸ごと下着卸の店舗が入っていたりしますので大きなマーケットであることには間違いありません。
金祥内衣批発広場
jinxiang underwear marketplace
(GoogleMap)

金祥内衣批発広場は、女性用下着の卸売りが集まっているビルです。
下着や衣類を多く取り扱う地域。
仕入先をアリババで探す
中国仕入れを現地でする場合2パターン考えられます。
1つ目
ネットで工場を探す → 何度か工場から仕入れる → 現地ショールームで商談
2つ目
卸売市場で取引先を探す → 現地でサンプルを見て注文する
私の場合は、1つ目のパターンで探すのがほとんどです。相手側も取引歴があると、食事に行ったり観光スケジュールを組んでくれたり丁重に扱ってくれます。
優しい業者は、別の工場へ送迎や卸市場の案内もしてくれて通訳もしてくれます。
今はネットで工場を探すのが簡単
昔は、中国の地域名 + wholesale(卸売りの意味)とググってひたすら探していましたが、今はalibaba.comやaliexpressで仕入先をすぐに見つけることができます。
工場を探すのであれば、アリババ。1個から購入して試してみたいならアリエクスプレスを使うといいです。
アリババ(日本語Ver) https://japanese.alibaba.com/
アリエクスプレス(日本語Ver)https://ja.aliexpress.com/
アリババでの工場の探し方

アリババで、socks(靴下)と検索してみましょう。すると商品の下の方に会社情報が掲載されています。
会社名の一番前に地名が掲載されています。ここで、地域を絞って探すと現地仕入れをするときに都合がいいです。
靴下の生産のほとんどが義烏ですので、そのほとんどの会社名にYiwu(イーウー)と表記されています。
一番右の Yiwu Yagesi Knittingの情報を見ると
・2YRS:アリババに登録して2年以上
・メダルマーク:アリババ有料会員サプライヤー(保険・会社情報表記)
・冠マーク:配送までの保険あり
・82.8%:24時間以内に問い合わせ返信した確率
などが分かります。
会社名をクリックすると、会社情報を見ることができます。
先ほどの会社情報はこちら。

ビデオもあるので、どれくらいの規模の会社なのか分かります。
商品ページの見方

靴下は例として分かりづらいので、iphoneカバーで解説します。
最低ロット(MOQ=minimum order quantity)は、ロットの一番左の数字を見れば分かります。この場合は、最低ロット10個で1個あたり46円になります。
カラーや種類で、合計10個になれば注文できます。(商品によって1種類ごとのロットがある場合もあります)
画面右に、注文合計金額が表示されます。Ship to をクリックしてJapanに選びなおします。

日本までの配送方法がいくつか表示されるので適当な配送方法を選びます。

あとは、通常の買い物と同様に決済をすれば完了です。業者からの連絡がある場合もあるので、メールチェックは忘れずに。
仕入先との付き合い方
商社と工場がある
工場から仕入れて販売している商社(販売店)と、自分の工場で生産している業者の2通りの業者があります。
どちらと付き合ってもいいと思います。まずは価格の問題よりも付き合いやすさを重視しましょう。
類似商品が多い
日本では、中国製の模倣商品が問題になることが多いですが、中国の工場でも真似し真似されの問題が多いです。
工場に勤務していた従業員が、同じ製品を作る工場を立ち上げることも日常茶飯事。平気でライバル工場と同じ商品を作ります。
ですから、人気な商品はいろんな工場が作っていたりします。
逆に言えば、こういう商品を作ってくれと写真を送ると、上手に作ってくれたりもします。
クオリティは、それぞれで異なりますので実際に仕入れてみて程度がいい物を選ぶといいでしょう。
仕入れ中に仕様が変わる
例えば、ネックレスの長さ。ずっと仕入れていると、商品によって長さが異なることもあります。
そういうときは、きちんと長さを守って作ってくれ と頼めば大丈夫です。
日本人は嫌われる?
日本人は中国人を嫌う人もいますが、中国に行くと日本人を好きな人は多いように思います。特に工場の経営者は、政治と経済が違うように、国の政策で国同士がいがみ合っても、相手国の人を嫌うようなことはしません。
あえて日本人が嫌われている点を上げるなら、日本はヨーロッパや中東の顧客よりも注文数が少ないのに要望は多いと言います。
細かなことを気にする日本人ならではの悩みです。実際に私のネットショップでも細かな傷が入った商品は不良品として廃棄しています。(メーカーに赤伝を切って返品できますがしません。)
しわ寄せが結局は消費者にいくので、もう少し日本の消費者は気にしないでもらいたいと思ってしまいます。
中国仕入れで気をつけること
・商品精度を向上できるか
・商品規定を守るか
・商品クオリティがコロコロ変わらないか
中国が得意なこと
・ロットが少ない(物による)
・オリジナル製品を作ることが容易
中国仕入れはどこに行けばいいか
中国の工場ってどんなところ?
最後におまけです。中国の工場ってどういうところか想像つかない方も多いと思いますので、いくつか訪問した工場の写真とともにご紹介します。
義烏の靴下工場
おそらく中国でも最大規模の靴下工場に行きました。中国の工場には大小関わらず必ずと言っていいほどショールームがあります。


日本の靴下メーカーのタグが張られた商品がたくさんありました。

靴下を自動で編む機械。果てしなく向こう側まで設置されています。イタリアメーカーの機械だそう。

仕上げは手作業。義烏も田舎ですが、さらに遠くの田舎から出稼ぎに来る方がほとんどです。工場での手作業は中国で多く見ますが、女性ばかりで男性はほとんど見かけません。

工場の施設は、ゲートで仕切られていて一つの町のようにただただ広いです。この辺りは、周りは工場だらけで何もないので工場勤務している方たちは、住み込みが多いのでは想像します。

今度は、小さな工場を見てみましょう。義烏マーケットの近くのちょっぴり掃除がされていないアパート。

建物の中で作業をしている人たちがたくさんいます。

半田ごてで何か作っています。

型から蝶の形のものが出てきました。

先程の蝶に、ラインストーンを1つ1つ埋めています。この作業の前に接着剤を付けていました。

こちらの方は、赤のラインストーンを付けていってます。気が遠くなるような作業です。

こちらは、また別の工場。工場らしい雰囲気が出ています。

ラクダの置物でしょうか。

こちらは、キリンですね。バリ取りか形を整える作業でしょうか。思ったよりも作業工程が多いです。

型がたくさんあります。こうやってキリンが生まれるんだと解説してもらいました。

金のメッキを施して色付けが終わると、装飾に移ります。こちらのブースは装飾担当のようです。

ラインストーンをグルーで接着。ストーンが小さいので、つまようじみたいなもので一つ一つ付けていました。

ショールームには、木製製品も展示していました。



私の取引先の工場のショールーム。ネックレスメーカーです。左の女性が工場のオーナー。
一番右の女性は、上海のドレス工場のオーナーさん。隠れている赤い服の方はその娘さんで、2人とも日本語ができるので旅行がてら、上海からついてきてもらって翻訳を頼んでいます。

私仕事しすぎて疲れました、昼ご飯にしましょうとオーナーさん。火鍋屋に来ました。

肉とオーナーさんを無理やり撮影。

こちらは別の取引先のアクセサリー工場。右側の2人がオーナー夫妻。私と同い年。型の説明を受けています。

ネックレスの型。CADで出力したデータを、ここに転写して金属を流し込んで、バリを取ってメッキ工場に依頼してメッキをしてスワロフスキーを入れて・・・みたいな感じで商品になります。

仕事の合間に昼ごはんです。

好きな魚選んで!どれがいい?

見本から選んで、出来立てを提供してくれます。

そのシャツいいね~ タグ写真撮らせてと、意味不明なオーナーさん。昼間からみんなでワイン空けたので仕事もグダグダでした。
